『風を見た少年』
公演のご案内

 原作/C.Wニコル  演出/関矢幸雄  音楽/クニ河内・京本幸子


東京都児童会館 第34回 夏休み児童・青少年演劇フェスティバル
06年7月22日(土) 開演 13:30 (開場 13:00)

会場
 渋谷・東京都児童会館ホール                            
公演終了致しました。ご来場頂きました皆さま、ありがとうございました!
後日、公演当日の様子をUP致します。お楽しみに!





あとむの新作『風を見た少年』が夏フェスに登場!
公演を重ねるごとに、進化し、磨かれ続けています。
子どもから大人まで、ご家族揃って会場にいらして下さい!

作品案内ページはこちらから。チラシも載っています。
          〜劇団あとむ「風を見た少年」再演によせて〜  

                                   C.W.ニコル  2004年3月22日黒姫にて

今から二十年以上も前、私は「風を見た少年」という小説を日本語で書いた。
大手の出版社数社に原稿を持ち込んだが、断られた。どう扱っていいものか、戸惑ったようだ。これは童話か、ファンタジーか、それとも冒険小説なのか、と。
そこへ、まだできて間もない小さな出版社が本を出そうと言ってくれた。やがて、私自身が描いた挿し絵入りで出版された小説はベストセラーとなった。

この本の成功は、『劇団あとむ』の存在を抜きには語れない。当時、日本全国を回って「風を見た少年」を上演してくれたことが何よりの追い風となったのだ。それにしても、この目で実際に見るまでは、あの小説を舞台化できるとは思ってもみなかった。
あれほどの広がりを持ち、現実と想像の境すら超えた物語を限られた空間の中でどう演じるというのか。
ところが、『劇団あとむ』はそれを見事に実現してくれた。観客を不思議な世界へと誘うすばらしい舞台は、世代を越えて多くの人に愛された。

時を経て、あの時の子どもたちは親となり、親御さんは孫を持つ身となられたことだろう。今再び、「風を見た少年」の舞台が甦ると聞いて、期待と興奮に胸が高鳴る。 今回も、とびきり楽しい舞台を見せてくれるに違いない。当日は、大いに笑いながら、心の奥で静かな哀しみを噛みしめることになるだろう。
最初にこの物語を認め、世に送り出してくれた恩人は、今はもういないのだ。
だが、きっと彼もどこかで観ているに違いない、と私は信じている。                               (訳:森 洋子)


                

1991年の初演の『風を見た少年』千秋楽の日に、ニコルさんがお寄せ下さったメッセージです。
新『風を見た少年』でまた皆さんにお目にかかる前に、
その素敵なメッセージを再びご披露したいと思います。

劇団あとむの皆さんへ

風を見た少年を長い間上演して下さってありがとう。
あとむのみんなのパワーがあいつを物語の中から連れ出し
いつの間にか一回りも二回りも大きく育ててくれた、
そんな気がして あいつの生みの親の僕としてはとても感謝しています。

その風を見た少年の最後の舞台を見に行けないのはとても残念ですが
そのころ僕は僕にとって魂の故郷ともいえる北極で新たな境地を開くための旅を続けているはずです。

最後の幕が下りたらあいつはそのまま風に乗ってきっと僕の処へ帰ってくるでしょう。
もっと大きくなって またいつかみんなに会えるよう それまでの間 僕と一緒に旅をするために。
そしてあとむの皆さんの新たなる旅立ちに 今度は2人でエールを送ります。

1991.7.13 C.Wニコル
「あいつ」がまたニコルさんと一緒に帰ってきます。
ニコルさんと「あいつ」と、また一回りも二回りも大きくなったあとむが一緒に旅をします。