『あとむのお話コンサート』 新作情報


劇団あとむの第6作は『あとむのお話コンサート』といいます。

1984年にスタートしてほぼ16年で5作とは寡作とも思えますが、
採算を思えば多くの公演数が望まれる訳で、まあ、そんなものでしょうか。
それと、関矢演劇というものは本を書架から出してくるというお手軽なお芝居ではなく、
台本を渡されて「ハイ、君はこの役」と言われて
役者だけをやっていれば良いというものは皆無。
俳優にして音楽家、はたまた照明も音響も自分たちという事まで要求される
過酷なものなのです。
従って新しい作品毎にグレードアップが演出家からのみならず
過去に劇団あとむを観てくれた観客からも要求されます。
例えば音楽的に俳優がアカペラのコーラスで進める『あとむの時間はアンデルセン』
生演奏で俳優全員が楽器をやる『気のいいイワンと不思議な小馬』を経て、
当然音楽性の高い作品作りを要求されます。
それが作品作りのすべてに渉ってなのです。

●今回、その第一は原作片手に稽古という事です。
過去の5作品も原作がありますから当然脚色します。(劇団内で秋山英昭が担当)
脚色という物は当然取捨選択がありますから、(これくらいわかるだろう)と捨てたものが、
若い俳優には必要なものがあります。
従って何を捨て何を残すかが原作片手だとはっきりわかるのです。
当然、演出家が時には口建てでセリフを云い、ト書きを変えます。
原作本は真っ黒!でも、途中で新しい版にワープロで直そうとしても、
演出家から「何を消したか。何で消したがわからなくなるので駄目!」
そうなんです。作品を観客に伝えるためには深読みをしなければならないという事を
若い俳優達にしっかりわかって欲しいからです。

◯作品はロシアの文豪レフ・トルストイの「初めての本」の四つの童話と
民話風な「人は何によって生きるか」です。

●稽古開始は12月22日からスタート。4月27日に公開舞台稽古を経て

◯7月30日(日)に夏の東京都児童演劇フェスティバルに参加。

●表現方法としては、過去劇団がものの(例えアニメイムなど)の総結集

◯音楽的には前作『気のいいイワンと不思議な小馬』に続くロシア音楽は
新しくドムラなどを加え、さらにレベルアップしました。

●上演時間は最終的には1時間20分目標(現在は1時間30分・4月末)


新作「あとむのお話コンサート」無事に試演会を終える。

劇団あとむの新作「あとむのお話コンサート」が4月27日、
江東区の児童会館で無事に初日を迎えました。

観客(モニター)は約200人。主に地元の江東子ども劇場の人でしたが、
遠くは宮崎県の日向門川おやこ劇場からわざわざ3人の方が来てくれて感激!
皆さんが良く見てくれ積極的にアンケートを書いてくれた。
後は7月30日の初日に向けて、更に練り上げて行こう。
製作者として感想・子どもが大勢来てくれて観てくれていたので安心。
時間もまだ1時間40分(途中休憩無し)と長かったが、
一番後ろから見ていたがトイレにいく子が皆無だった。
時間も7月には1時間30分にする予定。
予想はしていたがアンケートを見る限り「三匹のくま」や
「セミョーンおっさんのお話」というナンセンスなものは大人は駄目らしい。
「だからどうなの?」という事か。「てぶくろ」「チビクロサンボ」を子どもが何故好むのか。
メイン作品「人は何で生きるか」重くならず宗教の話と思われないように
演出が苦労したユーモアの部分をおふざけと感じる大人がいる。
あれを生真面目にやりすぎたら日本人の嫌いな?
宗教的ドラマとなってしまう。総体としてうまくいったと思う。

舞台写真

第一話『3びきのくま』

「3びきのくま」

第二話『セミョーンおっさんのおはなし』
「セミョーンおっさんのお話」

第三話『めうし』
「めうし」

第四話『フィリップぼうず』
「フィリップぼうず」

第五話『人は何で生きるか』
「人は何で生きるか」

フィナーレ
「フィナーレ」