『あとむの時間はアンデルセン』の作品について


アニメイム!?
アニメイムというのは、“アニメーション”と“パントマイム”からの造語です。
身近にある棒とボールと輪という単純なものを使って、
みんなの見ている前で空間に風景や動物の絵を描いていきます。
アカペラ・コーラス!

でも、なんといっても見る人の心をつかむのは9人の俳優(妖精)たちが、
このお話をアカペラコーラスで謳って進めていくところです。
もちろん、マイクなどは使わず、すべて生声。


ジャンルにこだわらない!?
舞台劇とか人形劇とかいうジャンルにとらわれない自由な発想の作品です。
アニメイム、人形、ペープサート(等身大の板人形)などを使って、
コーラスと手話と、素劇(ほとんどものを使わず人間の身体のみで表現)で
進めていきます。

「マッチうりの少女」
  良く知られた話ですが、おばあさんに抱かれ、精神世界の美しさを見て
  死んだ幼い少女が、愚鈍に長生きしている人間より不幸せと言えるかと
  問いかけているのでは?

「パンをふんだ女の子」
  綺麗だけれど生意気で高慢ちきなインゲル。
     靴を汚したくないために、ぬかるみにパンを置き、ふんで渡ろうとしたのですが
  沼の底に沈み、果ては地獄まで堕ちていく。インゲルの救われる道は…。

「とうさんのすることはみんなすき」
  家でいらなくなった馬をなにかいいものととりかえようと出かけていくとうさん。
  取り替えるたびに損をしているのに、ひたすらとうさんのすることは正しいと
  信じているかみさんと、かみさんの喜ぶ顔が人生の喜びというとうさんの話。

「ある母親のものがたり」
  病気の子どもを死神が連れ去る。それをひたすら追っていく母親。
  いばらの薮、大きな湖を超え、盲目となり上は白髪となりながら死神に追いつき、
  人間すべて何かの花や木という死神の温室で青いサフランの我が子をみつける
  が…。

「マッチうりの少女」 ・・・・・・・ 少女・三國純子/町の人・原田邦治
「パンをふんだ女の子」 ・・・・・・・ インゲル・小嶋京子/少女・京本幸子
「とうさんのすることは
みんなすき」
・・・・・・・ とうさん・織田晴光/かあさん・小嶋京子
紳士・楠定憲/店の主人・高橋善明
小僧・清水敬充
「ある母親のものがたり」 ・・・・・・・ 母・京本幸子/死に神・楠定憲
夜・三浦美穂子/湖の主・高橋善明
語り・織田晴光

原 作 H.C.アンデルセン
構成演出 関矢幸雄
音 楽 クニ河内
美 術 有賀二郎
制 作 秋山英昭