『あとむの時間はアンデルセン』 小倉北子ども劇場主催
1994年7月8日 会場;子ども文化会館 18:00開演


小倉北子ども劇場のホームページより

【例会委員会のまとめ】
 アニメイム(棒やボールや輪を使った風景や動物を空間に創っていく)と
コーラスとパペットで織り成す、アンデルセンの世界。単純・素朴な印象の中、
劇団あとむの遊びの中に、いつしか引き込まれていきました。

 
 物語は、アンデルセン童話の中でもポピュラーな『マッチ売りの少女』に始まり、
『パンを踏んだ娘』『父さんのすることはみんな好き』そして『ある母親の物語』で
舞台は締めくくられました。


 後の二つの作品に関しては、老若男女、そして今の自分の立場によって、
感じるものはかなり違ってくるのではないかと思います。特に、三つ目の作品は、
父親の居場所、在り方を問われる現在、とても考えさせられると同時に、
何時の間にか忘れてしまった何かを再び得たような感動がありました。

 明快でアップテンポに舞台は進行し、子どもたちや親である私たちの思いに
とてもフィットしました。それはきっと劇団あとむの方々の、
『子どもたちと舞台を通して遊びたい』という思いが強く現われた結果なのでは
ないでしょうか。

 『父さんのすることはみんな好き』が、いつしか『私のすることだって、みんな好き』
という自分への信頼感にもつながっていたように思いました。彼らの手に掛かると、
すぐそこにあるものが生きてくる・・・。子どもたちの遊びの精神がここに表れていました。

 心が温かく、明るくなる作品でした。